乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(新ワクチン=ジェービックV)と伝達性海綿状脳症(TSE)

(1)伝達性海綿状脳症(TSE)
伝達性海綿状脳症(TSE)とは、脳の組織にスポンジ(海綿)状の変化をひきおこす神経性の病気で、その原因は未だ十分に解明されていない伝達因子と考えられています。牛海綿状脳症(BSE)とはTSEの一種であり、ウシに起こる進行性の中枢神経系の病気です。まれにヒトで起こる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、中枢神経障害を起こす病気で、BSEに感染したウシ由来の食物を摂取することによりヒトへの感染が疑われています。

(2)マスターシード及びマスターセルバンク
新ワクチンである乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(ジェービックV)を作るために、日本脳炎ウイルスを培養した細胞上で増やし、大量の均質な日本脳炎ウイルスを調製します。この大量のウイルスを製造するために使用する、均一な性状を有する日本脳炎ウイルスを「マスターシード」、培養する細胞を「マスターセルバンク」と呼びます。

(3)マスターシード及びマスターセルバンクの調製時に、牛胎児血清、子牛血清、牛血清アルブミンが使用されています。また、乳由来成分を用いて作られた抗生物質(医薬品)が使用されています。

(4)厚生労働省の通知により、それぞれの成分について理論的な危険性を評価した結果、一定の安全性が確保されることを確認しています。