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内科・小児科 診療科目

アクトヒブ(ヒブワクチン)

インフルエンザb菌結合型ワクチン(アクトヒブ、ヒブワクチン)(不活化ワクチン)

(はじめに)
インフルエンザ菌は小児の細菌感染症のうちで最も重要な菌です。インフルエンザ菌には、細胞壁に莢膜を有する莢膜株と、莢膜のない無莢膜株があり、莢膜株はさらに莢膜多糖類の血清学的特異性によってa、b、c、d、e、f の6つの血清型に分類されます。このうちb型はインフルエンザ菌b型(Hib)と呼ばれ、特に組織侵襲性が強く、主に5歳未満の乳幼児に髄膜炎や肺炎、喉頭蓋炎、敗血症等の重篤な感染症を起こします。
アクトヒブ(乾燥ヘモフィルスb型ワクチン)は平成20年12月19日より日本で発売開始になりました。
ところで、「インフルエンザ菌と新型インフルエンザ、季節性インフルエンザ。みなインフルエンザという同じ名前ですが一体どういうこと?」⇒
インフルエンザ雑学(興味のある方は左記をクリック、(4)に簡単に記載))

種株 疾患
  莢膜株   血清型
b
髄膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、敗血症等⇒全身性疾患(重篤な感染症)
 血清型
a、c、d、e、f
上記と同様(ただしまれ)
     無莢膜株  気管支炎、中耳炎、結膜炎、副鼻腔炎⇒局所感染(比較的軽症)

(インフルエンザ菌性髄膜炎)
体の中で最も大切な部分とも言える脳や脊髄を包んでいる膜を髄膜(ずいまく)といい、この髄膜に細菌やウイルスが感染して炎症が起こる病気が髄膜炎です。髄膜炎には細菌が原因の細菌性髄膜炎と細菌以外(ウイルスなど)が原因の無菌性髄膜炎がありますが、治療後の経過が悪く後遺症が残るなどのため特に問題となるのが細菌性髄膜炎です。細菌性髄膜炎の初期症状は、発熱や嘔吐、不機嫌、けいれんなどで風邪などの他の病気の症状と似ているため、早期に診断することはとても難しい病気です。
細菌性髄膜炎を起こす細菌はいくつかありますが、原因の半分以上を占めているのが「インフルエンザ菌b型」という細菌で、略して「Hib(ヒブ)」と呼ばれ年々増加しています。インフルエンザ菌性髄膜炎(Hib 髄膜炎)は、その約5%が死亡、約25%に後遺症(難聴、精神遅滞、けいれん発作、言語習得の遅れ、視力障害等)が残るという非常に予後の悪い感染症であり、毎年約600人の5歳未満の小児が発症しています。小児のインフルエンザ菌性髄膜炎の治療には、セフェム系薬とアンピシリンを中心とした抗菌薬が用いられます。しかし、近年これらの薬剤に対するインフルエンザ菌の耐性化が進みつつあり、難治化する傾向がみられます。
なお、インフルエンザ菌性髄膜炎は新生児では母親からの移行抗体に守られているため発症は少ないのですが、3~4カ月齢になると移行抗体が消失し罹患率が高くなります。乳児期からの集団保育では特に注意が必要です。2~3歳からは徐々に自然免疫が発達し、あるいは不顕性感染により抗体を獲得することで発症率は低下し、5歳を過ぎると発症しなくなります。したがって、アクトヒブは生後2カ月から5歳までの間に接種する必要があります。



アクトヒブ(不活化ワクチン)

(効能・効果)
インフルエンザ菌b型による感染症の予防

(接種対象者・接種時期)
標準として2カ月齢以上7カ月齢未満で接種を開始
(a)2カ月齢以上7カ月齢未満

初回免疫: 通常3回、いずれも4~8週間の間隔で皮下に注射
追加免疫: 通常、初回免疫後7ヶ月~13ヶ月の間隔をおいて、1回皮下に注射

 上記接種にもれた場合
(b)接種開始齢が7カ月齢以上12カ月齢未満の場合

初回免疫: 通常2回、4~8週間の間隔で皮下に注射
追加免疫: 通常、初回免疫後7ヶ月~13ヶ月の間隔をおいて、1回皮下に注射
(c)接種開始齢が1歳以上6歳未満の場合
通常、1回皮下に注射

(他のワクチン製剤との接種間隔)
生ワクチンの接種を受けた者は、通常27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常6日以上間隔をおいて本剤を接種。ただし、医師が必要と認めた場合には、他のワクチン(生ワクチン、不活化ワクチンとも)と
同時することができます。その場合はHib ワクチンを接種した腕とは別の腕に他のワクチンを接種します。
なお、アクトヒブは不活化ワクチンですので、通常6日以上間隔をおいて他のワクチンを接種できます。

(安全性)
国内臨床試験での副反応発現率は61.0%で、その主なものは、
注射部発赤(44.2%)、注射部腫脹(18.7%)、注射部硬結(17.8%)、不機嫌(14.7%)等でした。
なお、発熱は(0.1%~5%未満)です。なお、TSEに関して以下の記載をお読み下さい。

伝達性海綿状脳症(TSE)について
本剤は、マスターシードロット製造時にフランス産ウシの肝臓および肺由来成分、ヨーロッパ産ウシの乳由来成分を使用しています。また、培養工程で米国産ウシの血液および心臓由来成分を用いて製造されています。これらの米国産ウシ由来成分は米国農務省により健康であることが確認されたウシに由来し、欧州医薬品審査庁のガイドラインを遵守して製造されています。理論的なリスク評価により、本剤は一定の安全性を確保する目安に達していることを確認しています。諸外国において本剤の接種によりTSEがヒトに伝播したとする報告はありません。以上のことから、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて低いものと考えられます。(アクトヒブ説明文より)
なお、TSEは新日本脳炎ワクチンにも関係します。詳細は右クリックへ。
TSEについて

(有効性)
国内第Ⅲ相臨床試験の結果、3回の初回免疫および初回免疫終了1年後の追加免疫により、全例に長期感染予防に必要な抗PRP抗体価が得られた。(2~6か月齢の健康乳児に、アクトヒブ0.5mLを初回免疫として4週間間隔で3回、初回免疫終了1年後に追加免疫として1回の計4回の皮下注射を試行後の抗体価の結果を下記に示す)
Hibの感染予防に必要な抗PRP抗体価(感染予防レベル)≧0.15μg/mL
Hibの長期の感染予防に必要な抗PRP抗体価(長期感染予防レベル)
≧1μg/mL