卵アレルギー児へのインフルエンザワクチン接種
卵アレルギー児へのインフルエンザワクチン接種
(インフルエンザQ&A(監修:岡部信彦 国立感染症研究所感染症情報センター長)より
インフルエンザワクチンは発育鶏卵でワクチンウイルスを増殖させるため、数ng/mL程度の卵白アルブミン交差反応成分が混入する可能性が考えられます。ワクチンのロットによっても差がありますが、1回接種で混入する卵白アルブミン交差反応成分は数ng以下と推定されます。この程度の微量で全身性のアレルギー反応を呈す可能性は少ないと考えられますが、鶏卵の摂取によって重篤な即時型反応を来たした既往のある児や卵白RASTスコア5以上の場合には、やはり慎重な対応が望まれます。また、過敏性の強い卵アレルギーの場合はワクチン中の他の抗原に感作されている可能性も否定できません。なお、鶏卵の二次製品の摂取が可能な卵アレルギー児では、そのままワクチンを接種して問題ありません。