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内科・小児科 診療科目

インフルエンザワクチンは生後何カ月から接種可能か?

インフルエンザワクチンは生後何カ月から接種することができますか

通常は米国にならってインフルエンザにかかると重症化するリスクの高い生後6ヵ月から接種します。

(解説)インフルエンザワクチン接種が強く勧められるのは、インフルエンザによる入院率が高い集団です。米国では、生後6カ月以上のすべての人に毎年のインフルエンザワクチン接種を勧めていますが、特に強く勧めているのは、生後6-59カ月の小児、50歳以上の成人、慢性呼吸器疾患、慢性神経疾患、糖尿病などの慢性疾患をもっている人、免疫不全者、妊婦などです。2009年のパンデミック時にはBMI30以上の高度肥満の人も危険因子として挙げられています。母親が妊娠中にインフルエンザワクチンの接種を受けていると、母親からの移行抗体により生後数カ月はインフルエンザ発症が予防されること、米国の成績では、生後6カ月からワクチン接種後に発症予防レベルの抗体価が誘導されること、子どもがインフルエンザに擢思して入院するリスクが高くなるのは生後6カ月以降であることなどから、米国では生後6カ月からのインフルエンザワクチン接種を勧めていますが、6カ月未満の子どもには接種を勧めていません。乳幼児にインフルエンザワクチンを接種したときの抗体反応は、型によって異なっています。2010/2011シーズンの台湾のデータでは、A(H3N2)型は欧州医薬品庁(EMA)の3基準をすべて満たしましたが、A(HINl)型は2基準、B型は1基準しか満たしませんでした。乳幼児での有効率は、統計学的には有意ですが20-30%と他の年齢群と比べると低い結果です。安全性に関しては、乳児に接種したとしても特に重大な副作用の増加は認められておらず、接種後4週間に胃腸炎、上気道炎、中耳炎にかかる頻度が増加することもないと報告されています。乳幼児でのインフルエンザワクチンの有効率が低い要因として、現行のスプリットワクチンでは、初めて接種して免疫を付与する力(プライミング効果)が弱いことが推測されています。実際、マウスの研究で、インフルエンザ全粒子ワクチンではプライミング効果が認められるのに対し、ヒトにおける研究では、スプリットワクチンでは認められないとの報告もあります。一方、欧米のアジュバントを含むスプリットワクチンや、全粒子ワクチンでは、強いプライミング効果が認められています。インフルエンザワクチンの副反応発現率は、注射部位の紅斑では、6カ月以上1歳未満8.2%、1歳以上3歳未満22.0%、3歳以上6歳未満56.3%、6歳以上9歳未満63.7%と、年齢が低いほど発現率が低率です。また、発熱率は5.0-5.4%で年齢による発現率には差は認めません。1歳未満において、インフルエンザワクチン接種が勧められるのは、保育園に通園しているなどの集団生活を送っている子どもで、2回接種をします。集団生活の場はインフルエンザがはやる場でもあります。保護者が仕事を休む機会を少しでも減らすために、子どもにはインフルエンザワクチン接種が勧められます。一方、集団生活を送っていない1歳未満においてインフルエンザ感染が心配な場合は、ウイルスを家庭にもち込むリスクが高い同居者にインフルエンザワクチンを接種することが、有効な予防方法のひとつと考えられています。近年、6カ月未満のインフルエンザを予防するために、出産時がインフルエンザ流行時期に重なる場合、出産予定日の3週間前までに(流行シーズンが始まる10-11月が理想)インフルエンザワクチンを母親に接種し、母親からの移行抗体によって感染を予防する報告があります。2009年のパンデミック以降、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会のガイドラインでは 妊婦はインフルエンザにかかると重症化するリスクが高いため、インフルエンザワクチンの母体および胎児への危険性は極めて低いことを説明し、希望する場合は接種する、としています。乳児にインフルエンザワクチンを接種するにあたっては、他のDPTワクチンやHibワクチンを接種する際の注意と同様です。それに加えて欧米では、鶏卵を食べてアナフイラキシーを起こす人に対して、接種を控えるように注意喚起がなされています。また、鶏卵を食べて華麻疹が発現するだけの人は、特別な検査を行わずに接種することが認められていますが、接種後少なくとも30分は観察することが必要です。なお、日本のインフルエンザワクチンに含まれる卵由来タンパクの量は極めて微量(数ng/mL以下)で、アナフイラキシーを起こす量(600ng/接種量以上)は含まれていません。理論上は、卵アレルギー児にも接種は可能です。

【参考:スプリットワクチンについて】
スプリットワクチンは、発育鶏卵内で培養したウイルス株を精製後、不活化した全粒子ワクチンのエンベロープ中の脂質層を、エーテル処理にて取り除いたワクチンです。現在日本ではこのスプリットワクチン、つまりインフルエンザHAワクチンが使用されています。

(インフルエンザQ&Aより)