日本脳炎 ( Japanese Encephalitis )

(1)日本脳炎とは
 主に コガタアカイエカ によって媒介され、日本脳炎ウイルス(フラビウイルス科)によっておこるウイルス感染症であり、ヒトに重篤な急性脳炎をおこす。極東から東南アジア・南アジアにかけて広く分布している。
(2)感染経路について
 ヒトからヒトへの感染はなく、増幅動物(ブタ)の体内でいったん増えて血液中にでてきたウイルスを、蚊が吸血し、その上でヒトを刺した時に感染する。
(3)潜伏期間
 6〜16日間とされている。
(4)症状
 数日間の高い発熱(38〜40℃あるいはそれ以上)、頭痛、嘔吐などで発病し、引き続き急激に、項部硬直、光線過敏、意識障害、神経系障害を生じる。
(5)治療法
 対症療法が中心となる。
(6)生命予後
 死亡率は約15%で、幼少児や老人では死亡の危険は大きい。精神神経学的後遺症は生存者の45〜70%に生じる。
(7)なお、日本脳炎は定期の予防接種の対象疾患となっていますが、その発生状況等を検討して、予防接種を行う必要がないと認められる地域を都道府県知事が指定することができるようになっています。これを踏まえて従前より、北海道のほとんどの地域では、日本脳炎の予防接種は実施されていません。