血圧と塩分、体重、飲酒との関係
2017/04/09循環器
血圧と塩分、体重、飲酒との関係
(1)血圧と減塩
高血圧の人が減塩すると、減塩1gあたり1.2/0.6mmHg (最大/最小血圧)の降圧がみられることがわかっています。
(2)血圧と食塩感受性
食事で体内に取り込まれた塩分は尿中に排泄されるので、尿中の塩分(Nacl)は塩分摂取量に一致します。世界各地の住民で尿中塩分量と血圧を測定してみると塩分摂取量と血圧の間に関連性があることがわかります。
しかし、塩分による血圧上昇の度合いには個人差があります。これは『食塩感受性』といって、塩分への反応性が個人ごとに異なるということです。たとえ同じ食事をしている夫婦でも、食塩感受性が異なれば、塩分による血圧上昇度は違います。食塩感受性が高くなる理由はわかっていません。
(3)血圧と体重
高血圧を起こす要因のひとつに肥満が挙げられます。減量によって血圧がどのくらい低下するのかは個人差がありますが1種類の降圧薬を飲んでいる60~80歳の高血圧患者さんを対象にした臨床試験では、肥満のある方が3.5Kg~4.5Kg体重を減らしたところ、最大血圧が平均4.0mmHg,最小血圧が平均1.1mmHg低下したと報告されています。
(4)血圧と飲酒
男性でお酒を多く飲む人は、飲まない人と比べて血圧が高い事が示されています。
さらに、高血圧患者さんで、毎日日本酒にして1.5合(エタノール換算で約35ml)以上飲む人は、まったく飲まない人と比べて約3倍脳出血を起こしやすくなります。
一方、飲酒によって最大血圧が3.31mmHg、最小血圧が2.04mmHg低下することが報告されています。そのため、高血圧の人には適度な飲酒がすすめられます。