頚動脈エコー
頚動脈エコー
(概略)頚動脈内膜の状態(プラーク、いわゆる動脈硬化のデコボコ)をエコーで検査
従来動脈硬化の診断は眼底検査が主流でしたが、近年、頚動脈エコーに移行しています。計測された頚動脈の内膜中膜複合体肥厚度(IMT) は、全身の動脈硬化の程度を反映します。1.0mm以下が正常で、最大値Max-IMTが特に狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の発症と関連します。また、内服薬の効果を頚動脈エコーで評価可能です。
〈動脈硬化とは〉 動脈硬化とは、部分的に動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして、動脈壁の弾性が低下した状態です。動脈の壁は内膜・中膜、外膜の3層からなり、動脈硬化で最も重要な「粥状硬化」では、血管内腔に線維性肥厚、石灰沈着、潰瘍、血栓などの複合病変が認められるようになります。動脈硬化病変が進行していくと、動脈自体のもつ弾性の低下により内腔を流れる血流の低下を招き、粥状硬化では、動脈内側にできた複合病変によって、動脈の内腔に狭窄をきたし、閉塞して「循環障害(虚血)」をきたします。それらの動脈硬化病変によって生じた病態は、脳梗塞、虚血性心疾(IHD、即ち狭心症、心筋梗塞)という病名で呼ばれます。
〈動脈硬化の診断〉 (1)動脈自体(壁の性状、硬さ、機能変化など)を評価する検査法には
(a)形態変化を判定できる検査: 頚動脈エコー、IMTが 1.4mm を超えると動脈硬化進行予防(基礎疾患治療)、生活習慣改善 が必要とされ、1.8mmを超えるとさらなる積極的治療が必要
(b)動脈壁の硬化度判定: 大動脈脈波速度(PWV)を用いて評価(CAVI血管年齢検査)
(c)動脈壁の機能変化判定: FMD(血流依存性血管拡張反応検査:血管内皮機能障害を調べる検査で、これは動脈硬化の器質的変化が起きる前の最も早期に現れる障害)
(2)臓器虚血・機能を評価する検査法:MRI、MRA、頚動脈エコー